正論疲れの時代
- プレイン 北脇

- 11月12日
- 読了時間: 2分
― 綺麗事では、もう動かない。
Ⅰ.“正しいこと”は、もう武器にならない。
SDGs、脱炭素、ZEH、長期優良住宅、カーボンニュートラル。すべて「正しい」。だが、「正しい」ことは、もはや差別化にはならない。
むしろ、“またそれか”という倦怠感を生んでいる。リベラルな綺麗事が、世界を救うどころか、現場の経営者・職人・中小企業にとっては、義務化とコスト負担の象徴になってしまった。
Ⅱ.トランプ以降、世界のゲームチェンジが始まった。
2016年以降、世界は「正しさより現実」「理念より成果」に大きく舵を切った。“サステナブル”“エシカル”“グリーン”という言葉が溢れ、それらを掲げた企業ほど、市場から共感を失う現象が起きている。
なぜか?それは、正しさの強要=欺瞞だと気づいてしまったからだ。
消費者は、もう“説教”を求めていない。善人ぶる企業ではなく、**「本音で動く企業」**を求めている。
Ⅲ.「正しいこと」をやるより、「面白いこと」をやる。
これからのブランド、これからの工務店に必要なのは、道徳的な清廉さではなく、行動の誠実さと感情の面白さだ。
「脱炭素だからやる」ではなく、「その方が面白いからやる」
「SDGsだから取り組む」ではなく、「人として気持ちいいからやる」
「環境配慮型住宅」ではなく、「人間らしく暮らせる住宅」
“正義”ではなく、“共感”。“理念”ではなく、“体温”。“思想”ではなく、“実感”。
これが、次の時代の競争軸になる。
Ⅳ.地方工務店にとっての「正義疲れ」
地方の工務店ほど、この「正義の押しつけ」に苦しんでいる。真面目で、誠実で、技術もある。だが、メディアや自治体が作り上げた「正しさの物語」に乗った瞬間、その“真面目さ”が逆に武器を奪う。
「自然素材」「高断熱」「長寿命」「地球に優しい」
→ どれも正しいが、どれも“もう聞いた”。
「性能の高さ」ではなく、「暮らしの面白さ」へ。
「社会的意義」ではなく、「個人的幸福」へ。
「環境のため」ではなく、「好きだからやる」へ。
Ⅴ.正しさを、卒業しよう。
トランプ以降、ポリコレ疲れ・SDGs疲れ・正義疲れは、政治・経済・文化すべての領域で起きている。日本の住宅業界も例外ではない。
“正しさを守る”ことにエネルギーを使う時代は終わった。これからは、“好きなことをやる会社が勝つ”時代だ。
「正しい会社」は、もう誰にも響かない。「面白い会社」「気持ちいい会社」「本音で動く会社」だけが、人を惹きつける。





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